医療の現場では、医師のサポート役として働く「メディカル・トランスクライバー」という職業が注目されています。現代の医療現場では、以前は医師による手書きが主流だったカルテを含めて、ほとんどの書類の管理がコンピューターで行われています。そのような中で注目されるメディカル・トランスクライバーは、医療の現場においてどのような役割を果たしているのでしょうか。
今回は、医師事務作業補助者「メディカル・トランスクライバー」についてご紹介します。
メディカル・トランスクライバーとは?
メディカル・トランスクライバーとは、医療現場で医師が口頭で診断した内容を電子カルテに代行入力する職業です。医師が、患者の診療業務という本来の仕事に専念できる環境を整えるために誕生した職業と言えるでしょう。
具体的な業務としては、電子カルテへのリアルタイム入力の他、紹介状や診断書などの書類作成も行います。医師が口述した情報を録音し、VoXTアプリなどを用いて文字に起こした後に報告書を作成する業務も含まれます。
メディカル・トランスクライバーに求められる能力
メディカル・トランスクライバーとして働くために必要な資格は特にありません。しかし、医療に関する専門知識や用語に関する知見が求められます。そのため、医療に関わる知識や用語を学ぶ必要があります。
また、コンピューターを使用した入力作業がメインの業務となるため、正確かつ速くタイピングができる能力も必要です。
他にも、医師が話す内容をわかりやすくまとめて入力することが求められるため、文章の要約能力も重要視されます。
メディカル・トランスクライバーを導入することで得られる効果
メディカル・トランスクライバーなどの医師事務作業補助者を医療現場に導入することにより、医師は今までカルテ作成などの事務作業に費やしていた時間を削減できます。その結果、医師は主たる業務へより多くの時間を使用できます。
また、メディカル・トランスクライバーは医師の診療内容を正確に記録するため、医療記録内容が充実します。他部署との情報交換や指示・伝達もスムーズに行えることも医師事務作業補助者を導入するメリットです。
おわりに
以前、メディカル・トランスクライバーはコンピューターを使用した入力作業が苦手な医師のための職業という認識がありました。しかし、今後は病院の業務効率向上に欠かせない存在として需要が増えています。
医学の知識が必要な仕事ですが、メディカル・トランスクライバーを育成するためのプログラムや講習が行われているため、医療の知識がない人でも目指すことが可能です。


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