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文章に起こす時に気をつけたい漢字とひらがなの使い分け(ひらく漢字)

 

音声データを文章に起こす際、気をつけなければならないことは、「漢字」と「ひらがな」の使い分けです。文字起こしをする際には、読み手がわかりやすい表記を目指し、一定のルールを守り記述することが大切になります。

今回はどのような時に漢字を使い、どのような時にひらがなを使うべきかを詳しくご紹介します。

【使い分けのルール1】クライアントからの指示に従うことが基本

漢字とひらがなの使い分けをする場合、基本はクライアントからの指示に従って行います。具体的に文字表記の指定がある場合は、そのルールを最優先しましょう。ただし、依頼主によっては細かい指定がない場合があるため、その際はこちらからルールの有無を確認することをおすすめします。

例えば、取り扱う案件が業界用語や学術用語、専門用語を多用しているとします。表記辞書やハンドブックを使用せず記事にすることが難しい場合は、クライアントに表記辞書やハンドブックの貸出有無について尋ねてみましょう

文字起こしの案件は、内閣告示の常用漢字表に記載されている漢字を用いることが一般的です。「表内音訓・表内字」と呼ばれている漢字は常用漢字のことを指し、「表外音訓・表外字」と呼ばれている漢字が常用漢字表に記載されていない漢字になります。漢字に迷った場合は、市販の表記ルールガイドブックを参考にしましょう。

【使い分けのルール2】記事の中の文字表記は統一させる

文章に起こす際に注意すべきことは、1つの単語を複数の表記にしないことです。同じ単語を文章の中で何度も登場させる場合は、漢字もしくはひらがなで統一することがルールとなります。

具体例として「子供」という単語を文章に入れる場合を挙げましょう。同じ記事内に「子供」という単語を複数使用する場合、違う箇所で「子ども」「こども」と表記することはルール違反になります。最初に「子供」と表記した場合は、最後まで共通して「子供」という表記を使う必要があります。

「障害」という単語も、「障碍」という常用外の表記がある場合や「障がい」という表記を使用する場合があります。時代の流れにより一般的に使われる漢字・ひらがなの表記は異なるため、時代に合わせた適切な漢字を判断することが重要なポイントと言えます。

【使い分けのルール3】補助動詞か動詞かによって使い分ける

漢字は、「ひらく漢字」「とじる(ひらかない)漢字」と表現されることがあります。ひらく漢字とは、ひらがな表記にすべき単語のことを意味し、とじる(ひらかない)漢字とは、漢字表記のまま使う単語を意味します。補助動詞として使用するときは、ひらがなで表記する言葉も、動詞として使用するときは漢字で書くことがあります

例えば、『お召し上がり「ください」』と『お召し上がり「下さい」』という2つの文章があった場合、どちらが正しい表記と言えるのでしょうか。

正解は前者の『お召し上がり「ください」』です。補助動詞として使用する場合は、ひらがな表記の「ください」を用いることが一般的になります。

ただし「ご飯を「下さい」」のように、動詞で用いる際は、漢字表記が正しいとされています。これが漢字とひらがなの使い分けです。

【使い分けのルール4】ケースバイケースで使い分けが必要なときもある

文字起こしをする際、文章の内容に応じた漢字の使い分けが必要なことがあります。よく使用する言葉の中にも、漢字とひらがなを使い分けた方が、文章の内容がわかりやすくなるものがあるのです。参考としていくつか例を挙げましょう。

『「時」と「とき」』という表記の仕方があります。普通名詞として時代や時間そのものを表したいときは「時」と漢字で表記します。一方、抽象的な事柄として使う形式名詞の場合は「とき」とひらがな表記を用いて表します。

「時は金なり」は時間そのものを指しているため漢字表記です。「ご飯を食べるときはテレビを消しましょう」は抽象的な事柄なため、ひらがな表記となります。

その他には、『「事」と「こと」』『「物」と「もの」』『「所」と「ところ」』なども使い分けが必要な漢字です。これらの言葉に共通していることは、具体的に特定できるケースは漢字を使用し、抽象的なケースはひらがなを用いることです。

おわりに

何気なく使用している表記を用いて、間違ったまま文字起こしをしているケースがよくあります。普段の癖が抜けないまま間違った言葉遣いを使用している可能性を疑い仕事をしましょう

常用漢字表や標準用字用例辞典、記者ハンドブックなどの専門書を活用することにより間違いを減らすことができます。思い込みは一番怖いものです。文字は辞書などを使用し、確認を取ってから記事にするよう心がけましょう。

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